~バローロ、バルバレスコ、そしてブルネッロ・ディ・モンタルチーノ~
イタリアといえば、美食とともにあるのが豊かなワイン文化。なかでも「イタリア3大赤ワイン」と呼ばれるバローロ、バルバレスコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、世界中のワインラヴァーから熱い支持を集めています。
今回はこの3本柱の魅力を紹介しつつ、その中でもとくに個性際立つ「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」に注目してみたいと思います。
■バローロ(Barolo)―「ワインの王」にふさわしい風格

バローロは、イタリア北部ピエモンテ州に位置するランゲ地方の特定エリアで造られる赤ワインです。単一品種のネッビオーロ100%で仕立てられ、長期熟成に耐える力強さと気品を備えた「ワインの王」と呼ばれる存在です。
●特徴と味わい
若いうちはタンニンが非常に強く、香りも閉じていますが、10年、20年と熟成することでバラ、タール、ドライチェリー、トリュフ、リコリスといった複雑で妖艶なアロマが現れます。
最低でも38か月(うち18か月は木樽熟成)が義務付けられており、リゼルヴァは62か月にも及びます。
●土壌とテロワール
バローロの味わいは畑によって大きく異なります。たとえばセッラルンガ・ダルバは骨太で重厚、ラ・モッラはやや柔らかく華やか。バローロという名前は一つでも、実際は「小宇宙」と言えるほどの多様性が存在します。
■バルバレスコ(Barbaresco)―「女王」の気品としなやかさ

同じくネッビオーロ100%で造られるのがバルバレスコです。こちらもピエモンテ州ランゲ地方にありますが、バローロに比べてやや南東に位置します。
●特徴と味わい
「バローロが王なら、バルバレスコは女王」と称されるように、バルバレスコはよりエレガントで繊細なスタイルが特徴です。熟成期間もバローロより短く、規定では24か月(うち9か月は木樽)とされています。
香りにはスミレやチェリー、甘草などが感じられ、タンニンは控えめ。熟成によって絹のような質感と奥行きが生まれます。
●歴史的背景
DOCG認定はバローロよりも10年遅れて1980年。生産量もバローロの半分以下ですが、その分「通好み」としての地位を確立しています。
■ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)―サンジョヴェーゼの頂点

バローロとバルバレスコが北部のワインであるのに対し、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは中部トスカーナ州、モンタルチーノの丘陵地帯で生まれます。使用されるブドウは、トスカーナを代表するサンジョヴェーゼの変異種「ブルネッロ」(=小さな茶色いもの)です。
●特徴と味わい
ブルネッロは、サンジョヴェーゼらしい酸と果実味、そして長期熟成によって生まれる複雑さが魅力です。熟成規定は最も厳しく、通常のブルネッロで5年(うち2年は樽)、リゼルヴァは6年必要です。
若いうちは黒系果実、バルサミコ、スパイス、土っぽさが感じられ、熟成によりタバコや皮革、乾燥ハーブのような深みのある風味に発展します。
●気候と環境
モンタルチーノはトスカーナの中でも特に日照量が多く、標高差もあるため、サンジョヴェーゼの栽培に理想的な条件が整っています。その結果、骨格のある男性的なスタイルに仕上がることが多いです。
■食卓で映える“ブルネッロのある時間”

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、特別な日に開ける1本としてはもちろん、赤ワインの世界をもっと深く楽しみたいときにもぴったりです。
肉料理や熟成チーズはもちろん、トマトベースの煮込みやキノコを使った料理との相性も抜群。ゆっくりと時間をかけて飲み進めることで、香りも味もどんどん開いていく…そんな余白のあるワインです。
●どんな時に飲む?
- ちょっと特別なディナーに
- ワイン好きな人へのプレゼントに
- 自分へのご褒美に
赤ワインの魅力がぎゅっと詰まっていて、「いいワインってこういうことか~」と実感できる1本です。
■おすすめの1本
このワインは、標高300mの南向き斜面で育てられたブドウを使っていて、凝縮感のある果実味とふくよかなボディが特徴。
南向きの斜面で丁寧に育てられたサンジョヴェーゼから生まれたこのブルネッロは、骨格のあるスタイルの中にも柔らかさと温かみを感じさせてくれます。
造り手のピアン・デッレ・ジネストレは、家族経営で丁寧な手作業を大切にしているワイナリーです。
「ブルネッロって何かすごそうだけど、難しそう…」という方にこそ、一度飲んでみてほしい1本です。ちょっと背伸びしたい夜に、きっとぴったりですよ♪
■最後に
バローロも、バルバレスコも、ブルネッロも、全部が「イタリアの誇り」と言える赤ワインです。
でも、どれから試せばいいかわからない…という方には、まずはブルネッロ・ディ・モンタルチーノをおすすめします。
深みのある味わい、ふくよかな香り、そしてちょっと贅沢な気分になれる1本。
ワインの奥深さを知る、最初の一歩にぴったりです。
気になった方は、ぜひ楽天市場でチェックしてみてくださいね!